第64回全日本学生剣道選手権大会・第50回全日本女子学生剣道選手権大会

 まさに梅雨の晴れ間となった7月2日~3日「日本武道館」において第64回全日本学生剣道選手権大会・第50回全日本女子学生剣道選手権大会が開催されました。本大会は全国8地域における予選を勝ち抜いた選手たちが、学生日本一の座を争うトーナメント形式の男女個人戦です。本大会においては、本学も過去に男子第5回大会で白井教雅 先輩(S34年卒)が優勝、第8回大会で矢木司孝 先輩(S38年卒)が第三位入賞、女子第28回大会で西海章子 先輩(H7年卒)が第三位入賞と、輝かしい戦績を誇ります。また、8地域を東西に区分して各地域連盟より選出された選手で構成したチームで東西の雌雄を決する勝ち抜き形式の団体戦である男女東西対抗試合も本大会と同時開催されます。毎年、東京と大阪で交互に開催する本大会ですが、従来は男女の個人戦と男子東西対抗試合を1日で実施していたのを、2007年より1日目を女子個人戦と新たに開設した女子東西対抗試合、2日目を男子個人戦と男子東西対抗試合とする2日間開催となりました。本年も男子176名、女子90名が出場する今大会、本学からは、男子個人戦に、関西予選を第三位入賞により通過した石上純平 選手(3年 滝川第二高等学校出身)が、女子個人戦に、関西予選をベスト16進出により通過した小日山瑞希 選手(4年 初芝立命館高等学校出身)が出場し、次の通り、結果を残しました。

 

  男子個人戦 1回戦シード 

        2回戦 石上  メー   石川(日本経済大学4年 樟南高等学校出身)

        3回戦 石上  ツー   細川(北海学園大学1年 北海高等学校出身)

        4回戦 石上   ーメメ 貝塚(日本体育大学3年 鎌倉学園高等学校出身)

        →ベスト32進出

  女子個人戦 1回戦 小日山  ーメ  川上(早稲田大学4年 菊池女子高等学校出身)

        →1回戦敗退

       

 応援に駆けつけた本学部員や先生、OBOGが見守る中、一日目の開会後間もなく、小日山選手は、関東予選を同じくベスト16進出により通過した早稲田大学の川上選手と対峙します。東西対抗試合に中堅として出場する相手選手の猛攻に、中盤、転倒し面が外れるアクシデントに見舞われながらも、終盤、部位は捉えなかったものの抜群の機会で出端メンを放つなど、よく粘った小日山選手は、試合を延長戦に持ち込みます。一進一退の、手に汗握る試合展開となった延長戦は、両者の相メンで勝負が決しました。審判の旗は相手に2本、小日山選手に1本と別れるも本人は試合後、一瞬の出遅れを冷静に分析し、9月の関西学生優勝大会(団体戦)へ向けて心新たに、その健闘を称える観覧席に戻りました。

 翌二日目、シード権を有する石上選手は、初戦となる2回戦、日本経済大学の石川選手を伸びのある跳び込みメンで降すと、続く3回戦では北海学園大学の細川選手に強烈な諸手ツキを見舞い、ベスト16進出を賭けた4回戦に駒を進めます。対する日本体育大学の貝塚選手は3回戦で国士舘大学の宮本選手を降して勝ち上がり、この日、そのキレのある打突で、会場の注目を徐々に浴びつつありました。迎えた決戦では、相手選手の猛攻を石上選手もよく凌ぎますが、稽古量に裏打ちされた自信とバネに勝る相手の勢いを前に、引きメン、跳びこみメンと連取され、この日、本学観覧席を大いに沸かせた久々の快進撃が止まりました。石上選手を撃破した貝塚選手の勢いは、この後も決勝戦まで止まることなく、優勝者と死闘を演じた末に、準優勝を果たします。

 関西大会、西日本大会に続き、充実した指導体制によるチーム強化が、また一つ結実した今大会には、伊藤明裕 師範にも大会前日より3日間、監督・選手に同行いただきました。遠路ご足労いただいての熱心なご指導に対し、縦之会会員一同、厚く御礼申し上げます。  今大会における両選手の健闘は、当人のみならず、それを目の当たりにした部員達にも大きな自信となり、この経験が来たる関西学生剣道優勝大会(団体戦)に向けた推進力となることは間違いありません。

 また、今大会には、本学より以下の先輩方に大会役員・審判員の労を取っていただきました。

 

  大会特別委員 石田 明久 先輩(S57年卒)

  審判員    田頭 啓史 先輩(S52年卒)       

 

 以上の先輩方を始め、大会当日、ご来場賜りました多くの先生・先輩方に、厚く御礼申し上げます。

 

  ご来場の先生・先輩  伊藤 明裕 師範

  (男女監督を除く)  松原 俊允 先輩(S39年卒)

             谷内 幹芳 先輩(S40年卒)

             衣川 隆三 先輩(S45年卒)

             中根 実雄 先輩(S46年卒)

             不破 啓之 先輩(S61年卒)

             河村 晋次 先輩(H 9年卒)

             助野 良平 先輩(H13年卒)

             友澤 剛  先輩(H14年卒)

               北田 翔子 先輩(H27年卒)

 

 なお、本大会の結果は次の通りです。

 

  男子優勝 山田 凌平 選手    (明治大学2年 九州学院高等学校出身)

   準優勝 貝塚 泰紀 選手    (日本体育大学3年 鎌倉学園高等学校出身)

   第三位 牧島 凛太郎 選手   (鹿屋体育大学2年 島原高等学校出身)

   第三位 三上 ヘンリー大智 選手(中央大学2年 東海大学附属第四高等学校出身)

  男子東西対抗試合 東軍勝利(大将戦) 

  女子優勝 小川 萌々香 選手   (日本体育大学2年 阿蘇中央高等学校出身)

   準優勝 木宮 凜々子 選手   (筑波大学3年 島原高等学校出身)

   第三位 杉村 麻記 選手    (早稲田大学3年 守谷高等学校出身)

   第三位 井手 璃華子 選手   (国士舘大学2年 福岡第一高等学校出身)

  女子東西対抗試合 西軍勝利(大将戦)

 

 最後に、この度、両選手とそれを支援すべく上京した現役学生(男女主将・主務・副務)、そして指導陣を迎え、大会前夜の7月1日には、在京OBが激励会を開催しました。在京OBにご連絡いただきました松原先輩、お店をご紹介いただきました助野先輩始め、開催にあたりご寄付賜りました植田英雄 先輩(S40年卒)並びに笹田隆 先輩(S46年卒)、ご出席いただきました先輩方に対し、学生に代わり厚く御礼申し上げます。

7月1日 激励会 出席者
氏   名 卒業年次 氏   名 卒業年次 氏   名  卒業年次 
伊藤 明裕 先生     師範 松原 俊允 先輩 S39年卒 衣川 隆三 先輩 S45年卒
高瀬 周治 先輩 S46年卒 中根 実雄 先輩 S46年卒 田頭 啓史 先輩 S52年卒
菅沼 満寛 監督 S53年卒 堂内 昌孝 監督 S57年卒 勝谷 浩二 先輩 S61年卒
不破 啓之 先輩 S61年卒 学生出席者6名(土橋・水原・石上・中本・小日山・惠上)

 更に、大会1日目終了後には、学習院大学の先生・先輩方と本学指導陣・学生との懇親会を開催し、記念すべき第60回学習院大学・甲南大学定期戦(本年10月8日 本学にて開催)を前に、両大学指導陣による意見交換を図り、親睦を深める有意義な時間を過ごしました。ご出席の上、本学選手を激励いただきました学習院大学指導陣の先生・先輩方に縦之会会員一同、厚く御礼申し上げます。

7月2日 懇親会 出席者
氏   名 卒業年次 氏   名 卒業年次 氏   名  卒業年次 
学習院大学
高寺 恒穗 先生 学習院師範 廣永 茂樹 先輩 S41年卒 吉田 臣吾 監督  S57年卒 
笹尾 剛人 コーチ S60年卒 知久 千晶 コーチ H24年卒    
甲南大学
伊藤 明裕 先生     師範 松原 俊允 先輩 S39年卒 田頭 啓史 先輩 S52年卒
菅沼 満寛 監督 S53年卒 石田 明久 先輩 S57年卒 堂内 昌孝 監督 S57年卒
友澤  剛 先輩 H14年卒 学生出席者6名(土橋・水原・石上・中本・小日山・惠上)
会場となった東京九段の日本武道館
会場となった東京九段の日本武道館
今回で男子第64回・女子第50回を数える本大会
今回で男子第64回・女子第50回を数える本大会

付添いの学生以外にも5名の部員が夜行バスで応援に駆けつけた
付添いの学生以外にも5名の部員が夜行バスで応援に駆けつけた
松原先輩(右側)と談笑する谷内先輩(左側)も上京
松原先輩(右側)と談笑する谷内先輩(左側)も上京

稽古前に剣道具持参でご来場いただいた助野先輩
稽古前に剣道具持参でご来場いただいた助野先輩
誇りを胸に堂々と入場する石上・小日山両選手
誇りを胸に堂々と入場する石上・小日山両選手

男子176名・女子90名が出場の今大会
男子176名・女子90名が出場の今大会
決戦の檜舞台に立った小日山選手
決戦の檜舞台に立った小日山選手

監督席から試合を見守る菅沼先輩
監督席から試合を見守る菅沼先輩
川上選手(早稲田大学)と対峙する小日山選手
川上選手(早稲田大学)と対峙する小日山選手

強豪選手の強い体当たりに転倒し、面が外れるアクシデントも。
強豪選手の強い体当たりに転倒し、面が外れるアクシデントも。
時間内終盤には抜群の機会を捉えた惜しい出端メンで相手を脅かす
時間内終盤には抜群の機会を捉えた惜しい出端メンで相手を脅かす

勝負を決した相メンは旗が分かれる判定に
勝負を決した相メンは旗が分かれる判定に
試合後、先輩の激励を受ける小日山選手。
試合後、先輩の激励を受ける小日山選手。

女子準決勝戦は相上段の決戦となった
女子準決勝戦は相上段の決戦となった
女子個人戦と同日に女子東西対抗試合も開催
女子個人戦と同日に女子東西対抗試合も開催

田頭先輩は女子決勝戦や東西対抗試合で審判を務めた
田頭先輩は女子決勝戦や東西対抗試合で審判を務めた
大会初日終了後、学習院大学指導陣との懇親会を開催
大会初日終了後、学習院大学指導陣との懇親会を開催

懇親会には本学部員6名も出席
懇親会には本学部員6名も出席
土橋孝史 男子主将より挨拶
土橋孝史 男子主将より挨拶

中本夏海 女子主将より挨拶
中本夏海 女子主将より挨拶
明日の大一番に向けて石上選手が抱負を述べた
明日の大一番に向けて石上選手が抱負を述べた

以前より交流のあった両師範を始め両大学OBが親睦を深めた
以前より交流のあった両師範を始め両大学OBが親睦を深めた
明日の試合に向けて英気を養う石上選手
明日の試合に向けて英気を養う石上選手

学習院大学 廣永先輩より暖かい激励のお言葉をいただく
学習院大学 廣永先輩より暖かい激励のお言葉をいただく
懇親会の最後に学習院大学 高寺師範にお言葉をいただく
懇親会の最後に学習院大学 高寺師範にお言葉をいただく

大会二日目、シード権を有する石上選手は2回戦から登場
大会二日目、シード権を有する石上選手は2回戦から登場
監督席から試合を見守る堂内監督(写真中央)
監督席から試合を見守る堂内監督(写真中央)

石上選手の伸びのあるメンが大舞台で冴えわたる
石上選手の伸びのあるメンが大舞台で冴えわたる
この日、石上選手は初戦となる2回戦をメンで、続く3回戦をツキで勝ち上がる
この日、石上選手は初戦となる2回戦をメンで、続く3回戦をツキで勝ち上がる

ベスト16進出を賭けた大一番を前にいよいよ面を着ける石上選手
ベスト16進出を賭けた大一番を前にいよいよ面を着ける石上選手
大会特別委員の石田先輩も同期の学習院大学 吉田監督と決戦を見守る
大会特別委員の石田先輩も同期の学習院大学 吉田監督と決戦を見守る

相手のメンに再び旗が3本上がった瞬間、我々の全日本は終わった。
相手のメンに再び旗が3本上がった瞬間、我々の全日本は終わった。
快進撃に沸いた観覧席で仲間の激励を受ける石上選手
快進撃に沸いた観覧席で仲間の激励を受ける石上選手

試合終了後に伊藤師範のアドバイスをいただく石上選手と堂内監督
試合終了後に伊藤師範のアドバイスをいただく石上選手と堂内監督
男子選手権大会と同日に東西対抗試合も開催された。石上選手も補欠選手として西軍陣営で試合を目の当たりにした(写真手前右側から2番目)。
男子選手権大会と同日に東西対抗試合も開催された。石上選手も補欠選手として西軍陣営で試合を目の当たりにした(写真手前右側から2番目)。

初戦から2試合を勝ち抜きベスト32進出の快挙
初戦から2試合を勝ち抜きベスト32進出の快挙
次代を担う核となる選手として来たる関西団体戦でのチームへの貢献を期待する…
次代を担う核となる選手として来たる関西団体戦でのチームへの貢献を期待する…